立平葺きとはどんな屋根?特徴やメリット・デメリットを解説

立平葺きとはどんな屋根?特徴やメリット・デメリットを解説

リフォームをお考えの際、「屋根材はどれにしようか…?」と悩んでしまいますよね?

調べている時に「立平葺き」という文字を目にした方は何のことかわからない人もいるとおもいます。

今回はその「立平葺き」の特徴やメリット・デメリットについて説明していきます。

ぜひ参考にしてください。

立平葺きとは

立平葺きとは、昨今の金属屋根の主流になっている屋根です。

金属材料を使用して屋根を立平葺きする方法です。金属材料は、鋼板やアルミニウム、亜鉛メッキ鋼板などが使われ、瓦を立てるように葺かれます。金属材料は丈夫で、軽量であるため、屋根の強度を確保しながら、屋根の荷重を減らすことができます。

また、金属屋根は、防水性が高く、風雨に強いため、メンテナンスも簡単で長持ちします。さらに、金属材料の特性を生かし、屋根の形状を自由自在に設計することができるため、様々な建築様式に適用することが可能です。

ただし、金属材料は熱伝導率が高いため、夏場は熱を吸収してしまい、屋根裏や室内が暑くなってしまう場合があります。また、初期費用が高いため、予算に余裕のある建物に向いています。金属屋根の立平葺きは、デザイン性や耐久性に優れた屋根材であり、建物の特徴や用途、予算を考慮し、慎重に検討することが大切です。

立平葺きの特徴

立平葺きは、美しさや耐久性、断熱性に優れています。

立平葺きの美しさ

金属屋根の立平葺きは、金属屋根材を立てるように葺くことで、伝統的な陶器製平瓦の屋根を思わせる美しさを実現します。金属屋根材は、鋼板やアルミニウムなどの金属を使用し、多様な色や質感を持っています。これらの金属屋根材を立平葺きにすることで、瓦にはない、洗練された現代的な美しさを表現することが可能です。

金属屋根材は、繊細なデザインや高い耐久性、メンテナンスのしやすさなど、様々なメリットがあります。また、立平葺きで施工することで、屋根面が平らで整然としており、美しい線を描きます。そのため、建物全体のデザインに大きく影響を与え、印象的な外観を作り出すことが可能に。現代建築や洋風の建物には、金属屋根の立平葺きが非常に似合います。

立平葺きの耐久性

自然災害に対して強い耐久性を持っているのも特徴です。風雪や台風などの災害に強く、長期間にわたって美しさを維持することができます。そのため、金属屋根の立平葺きは、地域によっては屋根材の定番となっている場合もあります。

立平葺きの断熱性

金属屋根の立平葺きには、高い断熱性を持つ断熱材を使用することで、屋根からの熱の放射を抑えることが可能です。断熱材は、屋根材の下に敷くことで、冬場は室内の温度を保ち、夏場は屋根下の熱を遮断することが可能です。

金属屋根材は、金属が持つ特性から、屋根表面に直射日光が当たると熱を吸収してしまいます。そのため、屋根の下に断熱材を敷くことで、室内の温度を調節しやすくなり、冷暖房の効率もアップ。また、断熱材には、遮音効果もあるため、外部からの騒音を軽減することもできます。

金属屋根の立平葺きに使われる断熱材には、一般的にガラスウールやロックウールなどが使われます。これらの断熱材は、非常に軽く、取り扱いが容易であるため、施工も比較的容易に行うことができます。また、耐久性が高いため、長期にわたって断熱性を保つことができます。

立平葺きの施工方法

立平葺きはカバー工法での設置が可能です。

カバー工法とは、古くなった屋根材の上に新しい屋根材を被せる方法のことです。古い屋根材が劣化している場合や、耐久性に不安がある場合に有効な工法。

この工法では、古い屋根材を撤去する必要がなく、新しい屋根材をその上に被せるだけで済むので工事期間が短縮され、コストも削減できます。また、古い屋根材の撤去に伴う廃材処理の問題も解決できるのもポイントです。

カバー工法には、防水性や耐久性が高い屋根材を使用することで、屋根の寿命を延ばす効果があります。さらに、断熱材を追加することで、断熱性能の向上や省エネ効果も期待できます。

ただし、カバー工法を行う前に、現在の屋根材が十分な強度を持っているかどうかを確認する必要があるので注意しましょう。古い屋根材の表面が平らであることが望ましいため、傾斜が大きい屋根には適していません。

立平葺きのメリットとデメリット

立平葺きのメリットとデメリットを以下にまとめます。

メリット

施工期間が短い

金属屋根の材料が軽量であるため、取り付け作業が容易に。また、金属屋根は一般的に葺き方がシンプルで、取り付けが容易なので、作業効率が良くなります。

また、金属屋根は、葺き方がシンプルなため、施工中に特殊な加工や調整が必要なく、素早く作業を進めることが可能です。加えて、屋根材の断面が小さいため、切断や穴あけなども簡単に行えます。

さらに、立平葺きは水平に材料を配置する葺き方であり、屋根材のカットも少なく、葺き方も比較的シンプルであるため、施工期間を短縮することができます。

以上のように、金属屋根の立平葺きは、材料が軽量で、葺き方がシンプルなため、施工期間が短縮されるのです。

費用を抑えられる

金属屋根は、耐久性が高く長期間使用できる素材であるため、長期的に見るとメンテナンスコストが低くなります。また、耐久性に優れるため、頻繁な修理や補修が不要になり、コスト削減につながります。

さらに、金属屋根は、取り付けが容易であるため、工期が短く、施工費用を削減することが可能です。また、葺き方がシンプルであるため、施工中に特殊な加工や調整が必要なく、素早く作業を進めることができます。

耐震性が高い

金属屋根は、軽量でありながら強度が高いため、地震に対しての耐震性が優れています。また、立平葺きは、屋根材を水平に配置する葺き方であるため、地震発生時にも屋根材同士が固定された状態で、互いに支え合うようになっています。

さらに、金属屋根は、風による力にも強く、強風時にも屋根材が飛散することがありません。また、金属屋根は、火災に対しても耐性があり、火災発生時には屋根材が燃え広がることがありません。

デメリット

断熱性・遮音性が高くない

金属屋根は、熱伝導率が高いため、夏場には熱を吸収し、冬場には放出する傾向があります。このため、屋根下の室温が上昇し、室内の断熱性にはあまり貢献しません。また、金属屋根は、遮音性に優れていないため、外部からの騒音が室内に伝わりやすくなるとされています。

ただし、金属屋根の断熱性や遮音性は、屋根材自体の特性だけでなく、断熱材や防音材の使用によって改善することができます。また、金属屋根の下に断熱材や防音材を敷くことで、屋根下の室温上昇や外部からの騒音を軽減することができます。

まとめ

立平葺きについて、その特徴や施工方法、メリット・デメリットについて解説してきました。

見た目が美しい立平葺きの屋根は、施工期間も短くコストも安いのが魅力、断熱材の利用でデメリットも解消できるのでぜひ屋根選びの候補にいれてみてください。

素敵なリフォームになることを祈っています。