世の中には実に多くの屋根材があります。「屋根のリフォームの際に自宅にどんな屋根材が最適かわからない」「プロのおすすめの屋根材を教えてほしい」「人気の屋根材を知りたい」というお声もよくお聞きします。こちらのページでは、山田工芸が町田市を中心に実際に多くの屋根リフォームに携わってきた中で、近年注目されている高機能で高耐久な屋根材をご紹介します。
海外70ヶ国以上で高く評価され長い実績を持つ美しい屋根材「ディプロマット」と「エコグラーニ」、そして耐久性や断熱性に優れた高機能な次世代屋根材「スーパーガルテクト」についてそれぞれのメリットとデメリットをご紹介します。ご自宅の屋根選びのご参考になれば幸いです。
「ディプロマット」と「エコグラーニ」は、どちらもアメリカからの輸入材です。カリフォルニアの株式会社ディートレーディングが開発した金属製屋根材で、「ディーズ ルーフィング」というシリーズの中の商品名になります。
あまり耳にされたことのない方もおられるかもしれませんが、海外では70以上の国で利用され、40年の実績があります。その高い耐久性、耐震性に加えて様々な災害に備えた耐風性能、防火性能、防水性能などが評価され、欧米各国をはじめ雪と寒さの厳しい北欧から高温多湿の東南・南アジア・南米、酷暑のアフリカ、そしてオセアニアなど多様な気候風土・環境にて使用されています。
ディプロマットとエコグラーニの基材は、軽量な「ジンカリウム鋼鈑」です。ジンカリウム鋼鈑とは、日本でよく流通しているガルバリウム鋼鈑とほぼ同じ素材で、どちらもアルミニウム55％／亜鉛43.4〜43.5％／シリコン1.5〜1.6％の合金で鉄をめっきした鋼鈑です。組成がほぼ同じなのになぜ名前が異なるかというと、商標の違いです。
ZINCALUME®（ジンカリウム鋼板） はオーストラリアのBlueScope社の登録商標で、Galvalume® （ガルバリウム鋼板）はアメリカのBIEC International社の登録商標です。日本語の「ガルバリウム鋼板」は、新日鉄住金の登録商標です。
若干ややこしいのが、ジンカリウム鋼鈑は元はめっきをした合金ですが、流通している「ジンカリウム鋼鈑」は表面に自然石粒をコーティングした「自然石粒付鋼板」であり、ただの鋼鈑である「ジンカリウム鋼鈑」と「自然石粒付鋼板」が混同して使用されています。ディプロマットとエコグラーニは、この自然石粒付鋼板に相当します。
鋼鈑に陶器瓦と同じ焼成を施した自然の石粒を付着させることで、色褪せを防ぎ、長期にわたって美しさが保持できます。また塗装が不要なため、長期的にメンテナンスコストを浮かせたい方におすすめです。
ディプロマットとエコグラーニの表面を覆う自然石粒には、日本の瓦と同じセラミックコートが施されています。セラミックコートは、瓦やお茶碗に用いられる日本の釉薬の着色方法と同じです。色を生成する色粉とガラスの素が700℃～1250℃以上の高温酸化焼成という焼きの工程を施されることによって、色粉がガラスに封じ込められ、長期的に色彩を維持できます。
陶器が色褪せないように、セラミックコートは色褪せの心配はほぼありません。
スレート系の屋根は7〜8年程度で再塗装が必要ですが、ディプロマットとエコグラーニは塗装の必要がありません。導入コストは高めですが、1回の再塗装でトータルコストが逆転するため、長く住めば住むほど経済的な屋根材です。
また、基材のジンカリウム鋼鈑の平均的な耐用年数は30年以上で、長い物では50年持つとも言われる高耐久の屋根材です。さらにメーカーが、基材鋼板の錆による雨もり・基材石粒の極端な剥離(はがれ)・基材石粒の極端な褪色(色あせ)に対して30年の長期保証をつけている点も長く使用できて安心です。
近年地震や台風などの自然災害の被害が増え、風による屋根の飛散や破損、また地震の際の瓦の崩落など屋根の防災が気になる方も多いかと思います。
ディプロマットとエコグラーニに代表されるディーズルーフィングが世界70ヶ国以上で40年以上支持されてきた理由のひとつに、様々な災害を想定した高い防災性と実績があります。
まず地震大国日本で気になる耐震性ですが、ディプロマットの重量は1㎡あたり6kg、エコグラーニは1㎡あたりの重量が5.8kg。これは日本瓦の約1/7、一般のスレート屋根材と比較すると約1/3ととても軽量な屋根材です。軽い屋根は建物の軽量化とそして建物の重心も下げることから、屋根が軽いほど地震による建物の揺れは小さく、耐震性が向上します。つくばにおいて阪神大震災級の実大振動の実験を行った結果、屋根材にゆがみは見られなかったことが実証されています。
次に耐風性ですが、屋根材同士を一体化する「インターロッキング工法」により60m/sの暴風にも耐えられることが証明されています。
実際に2005年8月末にアメリカ南東部を襲ったハリケーン「カトリーナ」の被害から家主を守った実績があり、竜巻や強風のリスクの高い地域で積極的に使用されています。
他にも防火性も評価されており、日本では国土交通省認定不燃番号（NM2035／NM1895）も取得済。1994年と2003年に発生したカルフォルニアの大火災でも家財を守った実績が報告されています。
また、表面のセラミックコーティングが錆びを防止するため、塩害や汚れにも強くなっています。
さらに北欧のような積雪の多い地域でも利用されているように、雪対策もされており、雪が大きく滑落しにくい特徴も備えています。雪処理のわずらわしさや、雪下ろし時の作業の安全性などに大きく貢献しています。
ディプロマットとエコグラーニの表面を覆う自然石粒層には鉄への熱伝導を下げる効果があり、これにより断熱性や遮熱性がアップ。
さらに施工方法によって屋根の下地と屋根材との隙間に十分な空気層を確保できるため、たとえ黒という熱を集めやすく吸収するカラーを選んでも、屋根の熱が内部へ侵入しにくい構造になっています。
通常の金属屋根の場合、雨があたると「共鳴」という小さな微振動でパタパタという音がします。しかしディーズルーフィングは、表面の石粒の凹凸が雨粒を細かく拡散させるため、この共鳴を抑える機能があります。ディーズルーフィングの屋根裏の音量は「38dB(気にならない音)」とされています。身近な例では40dBで「市内の深夜・図書館・静かな住宅の昼」、30dBで「郊外の深夜・ささやき声」とされていますので、かなり遮音性が高いです。
ディプロマットとエコグラーニは表面が天然石を砕いたものでコーティングされており、また化学薬品も使用していないため、自然の色合いと深みが楽しめます。さらに石が太陽光を乱反射させ、重厚で個性的な表情を演出し、見る時間や角度により刻々とその表情を変化させていきますのでシンプルながら飽きの来ないデザインとなっています。
そのシンプルかつ高いデザイン性から和洋問わずどのような建物にも合わせやすいのが特徴です。
ディプロマットはよりシンプルで直線的なデザインをしており、外壁としても使用が可能です。
ディプロマットのカラーバリエーションは現在テラコッタ、カフェ、エバーグリーン、オニキスの4色で明るめのものから落ち着いたものまで揃っています。色も単色ではなく濃淡のある石が混ぜられており、天然石の微妙な色合いを楽しむことができます。
デザイン性に優れていながらもディーズルーフィングの中で一番価格が安いのも魅力です。
一方エコグラーニは表面が凸凹状になっているのが大きな特徴です。
カラーバリエーションはツイードグレー、カフェ、エバーグリーン、オニキスの4色。中でもシックで上品な印象のオニキスは、どんな建物にもマッチしやすく特に人気があります。
さらに、ディーズルーフィングシリーズでもっとも軽い商品でありながら価格帯はディプロマットと同等なため、導入される方が増えている人気の屋根材です。
特に施工中などに、表面の石粒が剥がれ落ちて雨樋などにたまることがあります。ただし、時間が経てば剥がれるべき石粒のほとんどが剥がれ落ちてしまうため、落ちる量も少なくなっていきます。
一般的なガルバリウム鋼板よりは断熱性は高いものの、後述するスーパーガルテクトのような断熱材と一体化したガルバリウム鋼鈑には劣ります。
輸入品のため、関税や輸送費などの諸々の費用がかかり国内製造品に比べるとどうしても高額になってしまいます。
メリットの多い優れた屋根材ではありますが、国内での認知度はまだ低く、施工事例もまだ多くはないため、施工する業者も限られています。山田工芸では実際にディプロマットとエコグラーニを施工した事例もあります。船橋市にてディプロマットとエコグラーニの施工をお考えの方はぜひ一度ご相談ください。
次にご紹介する「スーパーガルテクト」は、国内の金属外装材トップメーカーであるアイジー工業の人気商品です。アルミニウム・亜鉛合金めっき鋼板であるガルバリウム鋼板に、マグネシウムを加えてさらに改良した新素材・エスジーエル（SGL）鋼鈑を使用した新しい高機能屋根材として注目されています。
断熱材のない金属屋根はもともと金属のため、断熱効果と遮音効果が低いため暑くなりやすく雨音がうるさい欠点がありました。スーパーガルテクトはアイジー工業独自技術によって、芯材に「ポリイソシアヌレートフォーム」という高機能な断熱材を使用して屋根材と断熱材を一体化した、大変軽量で断熱性や耐久性にも非常に優れた屋根材です。
スレート屋根や瓦屋根は衝撃により割れてしまう可能性がありますが、スーパーガルテクトは金属のため、劣化が少なく、割れにくくなっています。またスレートなどに比べて表面が滑らかなので、雨水やほこりがたまりにくく屋根の劣化3大要因「色褪せ」「カビ・コケ」「ひび割れ」を防ぎます。
スーパーガルテクトは、芯材に断熱性・耐火性に優れた「ポリイソシアヌレートフォームと呼ばれる断熱材を隅々まで充填しています。
表面には従来のガルバリウム鋼鈑の亜鉛めっきにマグネシウムを添加して強化した「超耐久ガルバ」を採用。さらに遮熱性の塗装を施すことで、金属屋根の欠点である「暑さ」と「うるさい雨音」を軽減しています。裏面には小屋裏の湿気を通しにくい特殊なアルミライナー紙を使用しています。
スーパーガルテクトの大きな特徴はその高い耐食性です。内部の鉄をさびから守るのが表層のめっき層ですが、スーパーガルテクトのめっき層に含まれる亜鉛、アルミニウム、マグネシウムの計算されつくしたバランスが、高い耐食性の理由です。従来のガルバリウム鋼板と比べて3倍超の寿命が期待できます。
従来の金属屋根は海岸線から5000m以上離れた範囲が補償の対象地域ですが、スーパーガルテクトは500m以上と対象を大幅に拡大。塩害は一般的に海岸から2000m内の地域で起こりうるとされていますので、非常に錆びに強いことが伺えます。沿岸部にお住まいの方でも安心してご使用いただける屋根材です。
スーパーガルテクトは屋根材の表面の塗料に、熱を反射する顔料を添加した特殊な塗料を使用しているため遮熱効果があります。
この塗料が太陽光の熱エネルギーを反射し、日射による鋼板温度の上昇を抑制します。普通の住宅屋根用化粧スレートに比べるとその差は約マイナス10度、一般的なシリコン塗装屋根に比べるとマイナス15度です。
さらに芯材に、断熱材の中でも特に断熱性の高いポリイソシアヌレートフォームを採用することで、断熱材一体型ではないガルバリウム鋼鈑より4倍の高い断熱性能を発揮します。
金属屋根は「共鳴」効果により雨音が気になることがあると先にご紹介しましたが、スーパーガルテクトは遮音性も向上。芯材のポリイソシアヌレートフォームとガルバリウム鋼板が一体化する構造によって、暴風雨などの強い雨音などに対しても高い遮音性を発揮します。
メーカーの実験では屋根を再現した模型に人工降雨機で雨量106mm/hの豪雨を降らせたところ、室内ではささやき声程度の音量が計測されました。
スーパーガルテクトの重量は1㎡あたり5kgで、日本瓦の約1/10、スレート屋根に比べて約1/4という超軽量の屋根材です。
屋根材の中でもトップクラスに軽いため、耐震対策として屋根の葺き替えや、また従来の屋根の上に新しい屋根をかぶせて施工する「カバー工法」においてもよく使用されています。
さらに耐風性能にも優れ、メーカーの実験において最大風速65m/sでも飛散しないことが実証されています。
また、芯材に使用している断熱材・ポリイソアヌレートフォームは高い難焼性を持ち、炎に触れると表面が炭化をはじめて燃焼の拡大を防止する「自己消化性」を備えています。さらに飛び火性能認定も取得し、一般的なウレタンフォームよりも安全性と防火性が向上しています。
スーパーガルテクトは「遮熱性フッ素樹脂塗装」と「超高耐久ガルバ」の効果で長期間美観を保ちます。
また、一般的なスレートの屋根のように再塗装やシーリングの補修が不要であり、メンテナンスの手間も少なくなっています。さらに高い断熱性能は冷暖房費削減にもつながるため、全体的なライフタイムコストを削減します。
スーパーガルテクトには以下の二つのモデルがあり、それぞれ塗装の種類と保証が異なります。
・スーパーガルテクト フッ素：遮熱性フッ素樹脂塗装、穴あき保証25年、変褪色保証20年、赤さび保証20年
・スーパーガルテクト：遮熱性ポリエステル樹脂塗装、穴あき保証25年、変褪色保証15年、赤さび保証20年
スーパーガルテクトフッ素は「超高耐久ガルバ」の上に遮熱性フッ素樹脂塗装施し、通常のポリエステル樹脂塗装よりも塗膜の質が高く、耐候性が高い（色あせにくい）のが特徴です。カラーバリエーションはブラックとブラウンの二種類があります。
通常のスーパーガルテクトの塗装はポリエステル樹脂塗装ですがこちらも遮熱性があります。また表面は特殊なちぢみ塗装（結晶塗装）で高級感あふれる質感が特徴です。カラーバリエーションはシェイドブラック、やシェイドグリーンなど現在6種類から選ぶことができます。（スーパーガルテクトCはスーパーガルテクトの長さを短くしたコンパクトサイズです）
新しい高機能屋根素材としてメリットの多い「スーパーガルテクト」ですが、デメリットもあります。「ポリイソシアヌレートフォーム」など良質で高級な素材を使用している分、初期費用がどうしても高額になってしまいます。
金属屋根材はさまざまな葺き方があり「スーパーガルテクト」は「かん合式」という、複雑なかん合部をはめ合わせるタイプの屋根材です。かん合式の屋根は、強風に強いメリットがある反面、部分的に剥がれてしまうと、周囲の屋根材も剥がさなければ修理・交換が難しいケースがあるというデメリットがあります。
金属屋根を扱って施工できるのは、瓦葺き業者でも塗装業者でもなく、板金工事業者です。板金工事業者は、他の屋根業者に比べて数が少なく、中には工事を請け負っていない屋根業者もあるため注意が必要です。正しい施工方法で施工をしないと、屋根の持つ本来の特徴を得られず、ひどいケースではたった10年で施工のやり直しなどということもありますので、実際の施工事例をもつ専門業者に依頼するようにしてください。
山田工芸ではお客様の屋根の状態やご予算に合わせて最適な屋根材とプランをおすすめしております。町田市にお住まいの方でご自宅に最適な屋根材がわからないなど何か屋根に関してお悩みのことがあれば、お気軽に山田工芸までご相談ください。
東京都町田市近郊で屋根修理・雨漏り修理・屋根リフォームをご検討中の方は、ぜひ山田工芸をご用命ください。
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