雨漏り修理は自分でできる?
雨漏りは、天井の下地まで劣化しているサインです。
放置していると腐食が進行してしまうので、できるだけ早めに対処してください。
業者に依頼するのがもっとも確実な方法ですが、「自分で修理したい」という方も少なくないでしょう。
では、雨漏り修理は自分でできるのでしょうか?
雨漏りの仕組みとともに、自分で修理する方法についても解説します。
雨漏りはなぜ起こる?
屋根の構造は、大きく分けて「屋根材」「板金」「防水シート」の3種類。
屋根材や板金が多少劣化しても、通常は防水シートが雨を防いでくれるので雨漏りにはなりません。
つまり雨漏りしているということは、屋根材や板金はもちろん、防水シートまで問題が起きているということ。防水シートの寿命は20年といわれているので、20年を経過している・経過しそうであれば、早めに業者に相談しましょう。
他にも、板金が剥がれたりズレたりしているケースや、天窓の施工不良が原因となっていることも。いずれも自然に改善するものではないので、症状の進行を止めるためにも早めに対処してください。
雨漏り修理で準備するものと、具体的な修理方法
自分で雨漏り修理をする場合、ホームセンターで売っている材料が活躍します。
「コーキング材」「防水テープ」「補修スプレー」の3つについて、それぞれ使い方を見ていきましょう。
コーキング材
コーキング剤にはさまざまな種類があります。雨漏り修理に使えるコーキング剤(1成分系)は以下の通り。
・シリコン系:速乾性と耐久性に優れた材料です。費用もリーズナブルなので入手しやすいでしょう
・変形シリコン系:屋根はもちろん、外壁やサッシなどにも使われている材料です
・アクリル系:耐久性はあまりありませんが、湿気のある場所でもきれいに塗装できます
・ウレタン系:耐久性はあるものの、紫外線には強くないため上から塗装してください。弾力性があるため、木材やコンクリートの補修にもよく使用されています
・NB(ノンブリード)タイプ:上から塗装しても変色しにくいでしょう
雨漏りは、目に見えない部分でも進行しているかもしれません。
そのため自分でコーキングすると雨水の流れが変わることがあるのでご注意ください。
その部分だけはせき止められても、別の箇所から雨漏りしたり、天井の内部で雨水が横に広がったりするケースは珍しくありません。
原因をきちんと特定できていないなら、自分でのコーキングは避けたほうが賢明でしょう。
自分で修理する方法
コーキング剤での雨漏り修理の場合、必要な材料は以下の通り。
・コーキング剤
・プライマー(下塗り剤)
・中性洗剤(台所用など)
・ヘラ
・ハケ
・コーキングガン
・養生テープ
1.まず、修理する箇所を洗浄します。水と薄めた中性洗剤を合わせて、ホコリや汚れを取り除いてください。きれいになったら水気を拭き、完全に乾燥するまで待ちましょう
2.修理する箇所の周辺に養生テープを貼ってください(コーキング剤の付着防止のため)
3.ハケを使って、プライマーを塗ってください
4.修理する箇所に、コーキングガンを使ってコーキング剤を充填してください
5.コーキング剤をヘラでならして、平らにしてください
6.養生テープを剥がして、そのまま1~2日程度乾燥させます
防水テープ
防水テープは、コーキング剤よりも手軽に使えます。
張り間違えたときに剥がしやすいのもメリットでしょう。
コーキングしても雨漏りするときには、防水テープを準備してください。粘着力や耐水性が高いものを選ぶと効果も期待できそうです。
なお防水テープよりもサイズの大きい「防水シート」も市販されています。
テープの幅では足りないような広範囲の雨漏りなら、防水シートを使うのが良いでしょう。
自分で修理する方法
防水テープでの雨漏り修理の場合、必要な材料は以下の通り。
・防水テープ(または防水シート)
・ローラー
・掃除道具
1.まず、修理する箇所をきれいに掃除してください(ホコリや汚れがついていると、テープの粘着性が悪くなります)
2.空気が入ったりシワになったりしないように注意しながら、防水テープをゆっくり貼ってください
3.ローラーを使ってしっかり圧着させましょう
補修スプレー
普段DIYをしないような方でも手軽に使えるのが、補修スプレー。吹き付けるだけで、防水効果のある成分がコーキングしてくれます。特にコンクリートやモルタルなど、家の外側に大きな効果を発揮してくれるでしょう。
雨漏り修理に使うなら、「雨漏り用」「多用途」「住宅用」「高撥水」などと記載された商品がおすすめです。
自分で修理する方法
補修スプレーでの雨漏り修理の場合、必要な材料は以下の通り。
・補修スプレー
・掃除道具
1.まず、修理する箇所をきれいに掃除してください(ホコリや汚れがついていると、補修スプレーの成分が付着しにくくなります)
2.補修スプレーをよく振ってから、20~30cmの距離で吹き付けてください
3.重ね塗りを2~3回しっかりとおこないましょう
4.完全に乾燥するまで1日以上待ちましょう
雨漏り修理を自分でおこなうための事前準備
「この雨漏りならコーキングが良いだろう」「防水テープを張って対処しよう」など大まかな修理方法がイメージできたら、いよいよ修理開始です。
コンセントから電化製品を抜き、家電や家具は別の場所に移動させましょう。雨漏りが起きている箇所の床にはビニールシートを敷き、その上にバケツを置きます。床への水跳ね対策として、雑巾も容易しておくとさらに安心でしょう。
雨漏り修理は自分でやらない方が良い2つの理由
雨漏りは、市販の材料を使えば自分で修理できます。
しかし、雨漏り修理なら業者に依頼することをおすすめします。
雨漏り修理を自分でおこなうには、さまざまなリスクがあるためです。
雨漏りの一時的な処置しかできない
雨漏り修理を自分でやるための準備や方法を詳しく紹介しましたが、どれも一時的な処置に過ぎません。
「雨が部屋に漏れてくるのを防ぐ」というだけで、根本的な解決にはなっていないのです。
一か所だけではなく実は複数の箇所に原因があるケースは珍しくありません。また部屋に侵入する水をストップできても、下地の腐食は自然に改善するわけではないので、放置していると別の箇所まで腐食が進行することも……。
「『台風で急に雨漏りしてきた!』程度の一時的な処置しかできない」……と覚えておきましょう。天候が回復したら、すぐに業者に相談してください。
高所作業は危険
天井から雨漏りしている場合、自分で屋根の状態を確認したくなることがあるでしょう。
しかし高所での作業は大変危険です。屋根から転落したら、怪我どころか命に関わりかねません。
応急処置であっても、屋根にのぼったりベランダから身を乗り出したりといった作業は避けてください。
雨漏り修理するなら業者が確実
自分での雨漏り修理は危険なうえ、一時的な処置に過ぎません。
目に見えない部分で腐食が進行したりカビが生えていたりすることがあるので、雨漏り修理は業者に依頼することをおすすめします。
雨漏り修理に慣れた業者なら、壁や天井の内側など本格的な調査が可能です。
プロの目線で根本から解決してくれるので、「自分でコーキングしたけれど別の日に雨が降ったらまた漏れてきた」「防水テープがうまく貼り付けられずシワの部分から漏れる」など悩むこともないでしょう。
まとめ
雨漏り修理を自分でおこなう方法はいくつかありますが、どれも一時的な処置に過ぎません。
株式会社 山田工芸は、「見える部分」はもちろん「見えない部分」まですべて含めて雨漏りの原因を特定いたします。
天候にかかわらず安心して住むために、プロの知識と技術で、雨漏りのお悩みを根本的に解決してください。
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