ルーフィングの重要性

家屋の屋根は多くの部位によって成り立っており、それぞれが役割を果たすことでさまざまな効果をもたらしています。
そこでここでは部位の中でも「ルーフィング」について紹介していきたいと思います。

ルーフィングとはどういったものか

屋根の役割の中に「雨漏り防止」「防水」というものがあります。
そこで重要となるのがルーフィングです。

ルーフィングの概要とは

ルーフィングとは下葺き材と呼ばれることもあるもので、屋根材の下部分に敷く「防水紙」「防水シート」のことを指しています。
雨が降った際に雨水を屋根の内部、屋根裏部分に入れずに外部に排水する役割を果たしています。
そのため、家屋の屋根部分の防水機能はルーフィングが重要となるのです。

ルーフィングは屋根材の下部分に敷かれるために表面からは見えません。
そのため重要視しない施工業者がいるのですが、雨漏りだけでなく遮熱効果などさまざまな効果が期待できる部位でもあります。
ルーフィングは種類によって効果や耐用年数が違っているため、必要に応じて適切なものを選ぶ必要があります。

ルーフィングの重要性とは

瓦やスレートなどの一般的な屋根材を設置するとどうしてもわずかな隙間ができてしまいます。
ある程度防水効果がある屋根材もあるのですが、雨水を完全にブロックできるわけではなく、隙間から雨水が屋根材の下部分に入り込んでしまいます。
しかしルーフィングがしっかりと機能していればこの入り込んだ雨水を外部に排水してくれるのです。
そのため、ルーフィングが劣化している、破損しているという状態だとここで雨水の侵入を防ぐことができずに屋根裏に雨水が侵入していくこととなるのです。
そういった意味ではたとえ屋根材が劣化していても、ルーフィングさえ完全に機能しているのであれば雨漏りは防げるということになります。
ただ、ルーフィングに大きな負担がかかり続けるとそれだけルーフィングの劣化が早まってしまうので注意が必要です。

ルーフィングの種類と特徴とは

ルーフィングには多くの種類があり、さまざまなメーカーが提供しています。
そこでここではルーフィングの種類とそれぞれの特徴について紹介していきます。

アスファルトルーフィングとは

こちらは現在日本でもっとも多く使われている種類のルーフィングとなっています。
大きく「アスファルト」と「改質アスファルト」の2種類に分かれます。
どちらも基本的には原紙にアスファルトを染み込ませてできています。

・アスファルト
アスファルトは融点が50℃となっているため、屋根部分が高温になる夏の間は柔らかくなります。
逆に冬の低温時期になると硬くなって柔軟性が無くなっていきます。
こういった変化が何度も繰り返されることによって劣化が進んでいくこととなり、ひび割れ、破損、亀裂などが発生することで防水性が低下していきます。
耐用年数も10～20年ほどと低くなっているのですが、価格が安く、使いやすいということから広く普及しているのです。

・改質ゴムアスファルト
アスファルトルーフィングは使いやすいのですが、状態の変化が起こりやすく、劣化が早いという弱点があります。
そこでアスファルトに「ゴム」「合成樹脂」「ポリマー」「プラスチック」などを混ぜ込み、耐久性を向上させたものが「改質アスファルト」「改質ゴムアスファルト」と言います。
一般的に耐久性が大きく高まっていることから耐用年数も20年以上と長くなっておりう、ハイグレードなものになると50年以上あるものもあります。

高分子系ルーフィング

こちらはアスファルトではなく、合成ゴムや塩化ビニールを原料としているルーフィングです。
アスファルトよりもはるかに軽量であるということが特徴となっています。
アスファルトルーフィングと同様に透湿性はなく、耐用年数は15～20年ほどとなっています。

透湿防水ルーフィング

こちらは高い防水効果がありながら、屋根部分の湿気を外部に排出することができるルーフィングです。
屋根材や内部の部位が劣化したり、シロアリが発生したりすることのもっとも大きな原因となるのが「湿気」です。
湿気が溜まった状態が続くと木材の劣化も早くなっていきます。
そこでこの透湿防水ルーフィングを使用することで屋根の内部の湿気も外部に排出することで建物を長持ちさせることにつながります。
耐用年数も約50年と長くなっている特徴があります。

ただ、この透湿防水ルーフィングは日本の屋根ではあまり普及していません。
シェアとしても約5％にとどまっています。
これは一般的なアスファルトルーフィングとは違った施工方法となるために扱う施工業者が限られるということ、併用できる屋根材も限られるということ、施工が高額になりやすいということが関係していると言われています。

ルーフィング選びの際のポイントとは

ルーフィングは数多くの種類が販売されています。
しかしルーフィングを選ぶ機会は非常に少なく、「家の新築時」「大規模なリフォーム時」などに限られます。
そのため、正しくルーフィングを選ばなければいけません。
そこでここではルーフィング選びのポイントについて紹介していきます。

屋根材との相性を考える

ルーフィングを選ぶ際には「屋根材との相性」を考える必要があります。
例えば、屋根材よりもルーフィングの方が耐用年数が短ければ屋根材がまだ使えたとしても屋根材を取り払ってルーフィングを交換する必要があります。
一度取り払った屋根材を再び使用するのは難しいため、結局屋根材も新しくする工事となるのです。
逆に耐用年数の長いルーフィングを選んだとしても屋根材の耐用年数が短ければ先に屋根材がダメになっていきます。
屋根材がダメになると多くの雨水が侵入してくるためにルーフィングにかかる負担も大きなものとなり、ルーフィングの劣化も早くなります。
やはり屋根材とルーフィングの相性を考えて選ぶことが効率的だと言えるでしょう。

耐用年数と耐久性の高いものを選ぶ

屋根材やルーフィングを選ぶ際にはどうしても耐用年数が気になりがちですが、どれくらいの風雨に耐えることができるのかといった耐久性にも注意が必要です。
このバランスを重視しなければ思ったほどの防水効果を感じられなかったり、思ったより早く劣化したと感じることが増えたりするでしょう。

信頼できる施工業者を選ぶ

ルーフィングは設置した後に屋根材が設置されると外部からは見えなくなってしまう部分となります。
そのために勝手に安価なルーフィングが使用されたり、手抜き工事が行われたりすることがある部分でもあります。
高価なルーフィングを選んでも施工技術が低いと性能を思うように発揮できないということも多くあります。
また、こうした悪質な工事が行われてもすぐには気づきにくい部分であるということがあるので、やはり信頼できる施工業者を選ぶということが何よりも重要となります。

まとめ

ルーフィングは屋根の内部に侵入した雨水を外部に排水するという重要な役割を果たしています。
もちろん基本的には屋根材がまず雨水を防ぐ役割を果たすのですが、ここで防ぎきれなかった雨水を防ぐのがルーフィングなのです。
ただ、屋根材の下に設置される部分のため、外部からは見えない部分でもあります。
そのため、種類を選ぶ、施工業者を選ぶということをなおさら慎重に行わなければならない部位でもあると言えるでしょう。

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