屋根の雨漏りは何故起こる?原因と対処法を解説!
- 2023.08.30
- 屋根の豆知識
建物は常に万全な状態を維持できるというものではなく、経年劣化や大雨、暴風などいろいろなことが原因となって劣化、破損していきます。
それが雨漏りにつながっていくことも多くなっています。
そこでここでは屋根の雨漏りはなぜ起こるのか、その原因と対処法について紹介していきたいと思います。
屋根の構造と雨漏りの関係性について
一口に「屋根」といっても屋根は多くの部材によって成り立っています。
大きく目立っているのは「屋根材」ですが、それだけではなく、接合部分などには「板金」が使われており、屋根材の下には「ルーフィング(防水紙)」「野地板」など多くの部材があります。
これらが組み合わさって屋根ができているため、これらの部材のどこかに問題が起きれば、それが雨漏りの原因となってしまうのです。
逆に言えば、これらがすべて正常に機能しているのであれば雨漏りは起きないということになります。
もちろん屋根は建物の一番上にある部分ですので「太陽光、紫外線」「雨、雪」「風」などに常にさらされていることとなります。
そのため何十年も経ってくれば経年劣化によって当然傷んでくるのですが、雨漏りの原因はそれだけではなく、ほかにもいろいろとあるのです。
雨漏りの原因によって対処法も変わってくるため、「その雨漏りは何が原因で起きているのか」を判明させて対処していくことが重要となります。
屋根の雨漏りで大きな原因となっているのは
屋根は全体的に経年劣化するという以外にもいろいろなことが原因となって雨漏りにつながっていきます。
ここではそれらの中から特に原因として多いことを紹介していきます。
屋根材の劣化
まず原因としてあるのが屋根材の劣化です。
屋根の中でももっとも面積が広いのが屋根材ですので、ここが劣化、破損していれば当然雨漏りにつながることとなります。
ただ、屋根材には多くの種類があり、それぞれの素材、種類によって耐用年数も違っています。
瓦屋根は昔から日本で多く使われてきたものですが、瓦自体の耐用年数は非常に長く、50~100年持つものもあります。
スレート屋根や金属屋根などは15~20年程度の耐用年数となっているものが多く、限界がくると「錆びる」「破損する」といった現象が出てきます。
寿命を迎えている屋根材は雨漏りの危険性も高まりますので、補修や交換などを行っていく必要があります。
状況によっては塗装をすることで機能が回復するという場合もあります。
板金が原因となるもの
実は屋根の雨漏りでもっとも原因の割合が高いのがこの「板金関係」です。
屋根は多くの部材を組み合わせてできているため、その結合部分などは雨漏りがしやすいポイントなります。
そうしたポイントに板金が使用されるのですが、やはり雨水や風の影響を受けやすいために屋根材よりも先に板金が劣化してダメになるということが多いのです。
特に昔の建物ではトタンが使われていることが多かったのですが、トタンは耐久性が低く、10年程度で穴が開いたり錆びが出て劣化が激しくなります。
最近では耐久性に優れているガルバリウム鋼板が使われることが多いのですが、それでも15~20年程度で劣化していきます。
板金が錆びる、へこむ、穴が開くという状態になると雨漏りが発生しやすくなるため、交換が必要となってきます。
また、板金の中でも屋根の頂上部分にある「棟板金」は雨風の被害を受けやすく、劣化しやすいという部分でもあります。
棟板金の中の貫板と合わせて定期的なメンテナンスが必要な場所だと言えるでしょう。
ルーフィング(防水紙)が原因となるもの
ルーフィング(防水紙)とは屋根材や板金の下に設置する防水シートを指します。
昔の瓦屋根では薄い木製の板をルーフィングとして使用していましたが、最近ではアスファルトなどを主成分とした化学製品を使うことが多くなっています。
屋根材や板金の下に設置されるために、雨漏りを最後に防ぐ防波堤とも言えるかもしれません。
屋根材や板金を突破して侵入してきた雨水を防ぐのがルーフィングですので、このルーフィングが正常に機能していれば雨漏りは防げるということになります。
ただ、少しの雨水などであれば防ぐことはできるのですが、屋根材や板金が劣化しているために多くの雨水が侵入してくるようになると当然ルーフィングの劣化も早くなっていきます。
ルーフィングが劣化してくると交換するしか方法はありません。
ただ、ルーフィングは屋根材や板金の下に設置されているために交換する際には屋根材をすべて剥がす必要があります。
そのため大規模な工事になることが多くなるという特徴があります。
業者の施工不良が原因となるもの
残念ながらまったくないと言い切れないのが業者の施工不良です。
これは職人の「技術不足」「手抜き工事」などが理由となるもので、部材を適切に設置していない、しなければならない処置をしていないということが理由となって雨漏りするということがあるのです。
例えばルーフィングの張り方、設置の仕方があります。
ルーフィングは長さが足りていないとそこが雨漏りの原因となるため、外壁部分まで余分に出して張る必要があります。
これは外壁でも同様で、外壁の防水シートは屋根部分まで余分に出すことが理想です。
そしてその余分な部分同士を重ね合わせて設置すれば屋根と外壁が連続して防水できるということになるのです。
しかし実際には屋根の部分と外壁部分は違う職人が施工するということもあります。
そうなるとうまく連携ができずにこの屋根と外壁の取り合い部分がうまく連続できず、その隙間から雨漏りがしてしまうことがあるのです。
また、シーリング材の打ち方を間違える職人もいます。
シーリング材は板金などの隙間を充填するものですが、隙間はすべて埋めてしまっても良いというものではありません。
内部に入った雨水を排出するための隙間や内部に湿気が溜まらないようにするための換気用の隙間などもあるのです。
こうした隙間まですべてシーリング材で埋めてしまうと内部に雨水や湿気が溜まることとなり、それが雨漏りの原因となることがあります。
これはシーリング材に限らず、塗装でも同様です。
重要な隙間を塗料で埋めてしまうことで雨水が排出できなくなることがあります。
それを防ぐためには「縁切り」と呼ばれる塗膜に切れ目を入れる作業があるのですが、職人によってはその作業を行わないということもあります。
これらの施工不良が原因となって雨漏りに至ることがあるのです。
屋根の雨漏りが起きた際の対処法
できるだけ防ぎたい屋根の雨漏りですが、実際に雨漏りが起きてしまったら素早く対処していかなければいけません。
ここでは実際に屋根の雨漏りが起きた際の対処法について紹介していきます。
屋根の修理業者に連絡をする
屋根から雨漏りが発生していて、室内に水が浸入してきている場合はできるだけ早く屋根修理業者、雨漏り修理業者に連絡する必要があります。
雨漏りの原因を解消しなければ雨漏りが無くならないためです。
最近では電話だけでなく、インターネットでも検索すればすぐに出てきます。
この時重要なのは「近い業者」「早く対処してくれる業者」に依頼することです。
家から遠い業者、すぐに対処してくれない業者では被害が大きくなるため、早く対応してくれる業者を選びましょう。
普段から「何かあったらこの業者に依頼する」という準備ができている場合は、できるだけ優良な業者を選び出しておくと良いでしょう。
業者によって「技術」「費用」に差があるため、できれば高い技術を持つ、実績のある業者に依頼したいところです。
ただ、緊急の場合はその余裕はないかもしれませんので、できるだけ早く対処してくれる業者に依頼しましょう。
雨漏りの落下地点にバケツやブルーシートを設置する
もちろん一時的な対応にはなりますが、これも重要な処置です。
室内に水が浸入してきているときには、その水が
・テレビなどの家電製品
・本や写真など
・床材
などにかかることを防がなければいけません。
テレビなどの家電に雨水がかかると故障する可能性もありますし、本や写真などに水がかかればダメになってしまうこともあります。
床材に雨水がかかり続けると床材が傷んだり腐食していく可能性もあります。
業者がきて修理をしてもらうまでの一時的な対処ではありますが、素早くバケツやブルーシートで屋内のものを守るということも重要な対処です。
ただ、屋根に上って屋根全体をブルーシートで覆うという方法はおすすめしません。
もっとも効果が高い方法かもしれませんが、雨が降っている時に素人が屋根に上って作業をするというのは非常に危険な行為です。
これが夜であったりすればなおさらです。
屋根から落下する危険性があるため、屋根には上らないようにしましょう。
雨漏りの予防のためには
雨漏りは実際に起きてからの対処は慌ただしくなりますので、できるだけ予防しておくことが重要です。
大きく分けると、
・定期的にメンテナンスを行う
・雨漏りしにくい屋根にリフォームしておく
という方法があります。
定期的にメンテナンスを行い、破損している部分は補修する、塗装が薄くなっていれば塗装しなおす、劣化している部分があれば交換しておくというようにメンテナンスをしていれば急に雨漏りがしてくるという危険性を抑えることができます。
また、劣化がひどいという場合には雨漏りしにくい屋根にリフォームしてしまうという方法もあります。
まとめ
屋根から雨漏りしてくるということにもいくつかの原因があります。
それぞれに対処法は違うのですが、定期的にメンテナンスを行っていることでその多くは防ぐことができます。
急な雨漏りが起きないように、数年に一度は専門の業者に依頼してメンテナンスを行うことをおすすめします。
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