屋根の各箇所の名称と役割について

家の屋根にはさまざまな形状、構造があり、それぞれの部材、部位に名称がついています。
また、それぞれに役割があるため必要に応じてそれらを使用していくことが求められています。
ここでは屋根のそれぞれの箇所の名称と役割について紹介していきたいと思います。

屋根の構造に使用されている部材について

まずは屋根というものを構成している部材の紹介をしていきます。

垂木

基本的に戸建て住宅の屋根は傾斜がついているのですが、その傾斜を形作っている骨組みが「垂木」です。
屋根面に敷くことになる屋根材を支える役割があり、45~50m間隔で設置されていきます。
屋根材を屋根に固定する時には、この垂木に釘を打つことで強度を向上させることが可能となります。
また、この釘の打ち方によって雨漏りを抑えることができるため、垂木は屋根において非常に重要な部分だと言えます。

野地板

野地板は垂木の上部分に設置する下地材のことです。
一般的には18cmほどの幅に9~12cmほどの厚さの板を使います。
これは屋根が完成すると最終的には見えない部分となるのですが、この野地板の上にルーフィングや屋根材の土台部分となるので非常に重要な部分となります。
野地板で多く使われているのは強度の高い構造用合板となっており、屋根の下地や床、壁などで多く使用されています。

ルーフィング

ルーフィングは野地板の上部分に設置する防水紙を指します。
屋根が傷んでくると雨漏りがすることがあるのですが、このルーフィングは雨漏りを防ぐための役割を果たしてくれるものとなっています。
基本的には屋根材が雨水を防いでくれるのですが、屋根材にトラブルが発生したとしてもルーフィングによって雨漏りを防いでくれる安心感を与えてくれるものとなっています。

屋根材

屋根を外から見たときに見える部分となっている部材です。
屋根を構築していく際の最後の工程であると同時に外観の決め手となる部分でもあります。
もちろん雨が降った際などは最初に防水をする役割を果たすこととなります。
屋根材に当たった雨水は徐々に雨どいに向かって流れていき、外部に排出されることとなります。
屋根材には瓦、スレート、金属などが使用されています。

屋根の形状別の部位の名称と役割

屋根にはさまざまな形状があり、それぞれの部位に名称と役割があります。
ここではそれらの部位と役割を屋根の形状別に紹介していきます。

寄棟屋根

こちらは4面によって構成される大棟のある屋根となっています。
「大棟」は屋根の山の頂上線を意味しており、水平になっている部分のことです。
壁が4面とも屋根によって守られるという強みがあるのですが、4つの面を使用するために工事費用が高額になるという特徴があります。
ただ、4面あることで雨水などを4つの方向に分散することができるというメリットがあります。

・「棟」「大棟」
こちらは屋根の頂上部分にある水平となっている部位です。
・「平部」
4つある屋根の面の部分です。
・「軒先」
屋根の先端部分です。
家の壁よりも外に向かって張り出していることで壁を守ることができます。
・「隅棟」
棟から軒先に向かって降りてきている部分です。
屋根の面と面をつないでいる部分でもあります。
・「谷」
こちらは屋根の面と面のつなぎ部分のうち、谷のようにへこんでいる部分です。
この部分を水が通って排水されていることとなるのですが、水が多く通る部分であるために雨漏りがしやすくなる部分でもあります。
・「雨押え」
こちらは屋根と壁のつなぎの部分です。
こうしたつなぎ部分は雨漏りがしやすい部分でもあるので注意が必要です。
・「軒天」
こちらは軒先の天井部分です。
この部分はカビが発生して傷むこともありますし、鳥の巣、蜘蛛の巣が張ったりすることも多い場所となっています。

切り妻屋根

こちらは日本で多く使用されている三角屋根です。
とにかくシンプルな作りとなっているため、施工業者が施工しやすい屋根でもあり、シンプルなために雨漏りもしにくいという特徴があります。

・「棟」「大棟」
こちらは寄棟屋根と同様に屋根の頂上にある水平部分です。
・「破風」
それぞれの部位の先端部分を隠すための部位です。
隠すための板のことを破風板と言います。
・「ケラバ」
屋根の雨どいがない部分(妻側)にある端部のことを指します。
このケラバがあるおかげで壁部分にある窓に雨が吹き込んでいくことを防ぐことができるようになっています。
・「庇」
これは窓の上部につけられる小さい屋根のようなもので、雨除けや日除けの役割を果たしています。
・「下屋」
2階建ての住宅の1階部分の屋根に当たる部分です。
窓についている庇よりも大きくなっており、設置するには柱や壁を利用してしっかりと設置する必要があります。
・「唐草」
こちらは軒先やケラバに取り付けられる部位となっています。
この唐草によって雨水を破風や軒天に侵入させないようにすることができます。
昔は軒先などに使用する瓦を唐草模様にすることがあったため、その名残で唐草と呼ばれています。

入母屋屋根

入母屋屋根は日本の伝統的家屋で使われることが多い屋根の形状です。
現在では神社や仏閣などで使用されることが多くなっています。
とにかく形状が複雑で、つなぎ目も多くなっているために施工も高いレベルが求められるようになっています。
一般的な住宅で使われることはほとんどなくなってきています。

・「鬼瓦、鬼飾り」
こちらは棟の端部分に付けられるもので厄除けや建物の装飾としてのイメージが強いものとなっています。
そのため中には鬼の顔を持つようなものもあります。
ただ、本来の役割は雨水が屋根の内部に侵入するのを防ぐものとなっています。
・「降り棟」
こちらは棟、大棟部分からまっすぐ下に向かって降りていく棟です。
この降り棟の先端部分につけられている鬼のことを降り鬼と呼んでいます。
・隅棟
降り棟から枝分かれしている端部分の屋根とのつなぎ合わせる部分の棟ことを指しています。

屋根の部位を変更、補修するには

屋根材が補修が必要となるほど損傷していたり、外観を変えたり、性能を変えたりしたいという際には屋根のリフォームをすることとなります。
ただ、屋根のリフォームをする際には大きく分けると2つの種類があります。

葺き替え

こちらは現存している屋根材を一度すべて取り払って、すべてを新しい屋根材に吹き替えるという工法です。
この方法によって傷んでいる屋根材などをすべて入れ替える形となりますので、この時点からまた長い耐用年数が期待できます。
ただ、すべての屋根材を取り払って、葺き替えることとなりますので費用が高額になりやすいのと工事期間が長くなるという特徴があります。

▷屋根の葺き替えとは?工法やメリット・デメリットをご紹介

屋根カバー工法

こちらは既存の屋根材を撤去せずに残した状態で、その上から新しい屋根材を重ねるという施工方法となります。
この屋根カバー工法のメリットとしては、

  • 工事費用を抑えることができる
  • 工事期間を短くすることができる

ということがあります。

逆にデメリットとしては、

  • 古い屋根材に新しい屋根材をかぶせるために屋根が重くなって建物への負担が増える
  • 耐震性が低下する可能性がある
  • 既存の屋根が大きく劣化している時には使用できない工法である

ということがあります。
重ねる新しい屋根材としてはスレートや金属が使われることが多くなっています。

条件を満たしている場合にしか使用できませんが、状況に合わせてどちらの方法でリフォームするかを選んでいくと良いでしょう。

▷屋根のカバー工法とは?工法やメリット・デメリットをご紹介

まとめ

屋根には色々な形状があり、多くの部位が存在しています。
それぞれの部位には名称と役割があり、それらがしっかりと役割を果たしていることで建物を守っているのです。

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